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海洋深層水で冷房を [ 海底調査]

昨日の「キャベツを食べると眠くなる」という話に寄せられたTakoingさんのコメントで、「キャベツにはメラトニンという睡眠促進効果を持つ物質が含まれている」ということが発覚!やっぱりキャベツを食べると眠くなるんですね~。笑
ま、でもこの物質、トマトやバナナ、とうもろこしにも含まれているというから、単純にキャベツを食べて眠くなるという結論には至りませんか。(^-^;;;

さて、今日はちょっと面白くてお勉強になる(?)仕事関連の話を。

日本で一時期すごく話題になった海洋深層水。ハワイでは海洋深層水を汲み上げて、空調に利用するという技術(SeaWater Air Conditioning [SWAC])を提供している会社がある。Makai Ocean Engineeringという会社で、2003年3月にこことうちの会社が組んでボラボラ島Inter Continental Resort and Thalasso Spa Bora Boraの依頼で調査へ行ったことがある。

僕にとって初め ての海底調査の仕事で、建設予定のホテルに面した海域を調査し、海洋深層水を汲み上げるためのパイプを設置するルートを探すというものだった。

2006年5月にそのホテルがオープンし、プレスリリースも出た。それには僕が調査&データ処理した海底地形図が載ってるんだよねー。うちの会社は下請けなので社名が出ないのが残念だけど。。。
ボラボラ島での成功を受けて、昨年2月には今度はカリブ海に浮かぶキュラソー島というところで同様のプロジェクトがあり、うちの会社が調査を行った。もちろん僕も行ってきた。

ところで、このSWACという技術はなかなか面白い。単純に言うと冷たい海洋深層水(約5℃)をポンプで汲み上げ、その水と建物の中を巡回する冷 却用の水をHeat Exchanger(熱交換器)で熱のみを交換する(実際に海洋深層水を循環させて冷房に使うわけじゃないわけだ)。そして深層水はまた海に戻される。図で見ると分かりやすいので、このページの最初の二つの図を参照。

SWACを用いると、通常の設備で冷却水を冷却するよりも電気代を最大1/10に抑えられるらしい。電気の消費も抑え、冷却により発生する温室効果ガスな ども抑えられる。電気代も安くなって環境にもいいなんて、まさにWin-Winシチュエーションだね!ただ、SWACの設置にはけっこうなお金がかかるのと、十分に冷たい深層水へ容易にアクセスできなければならない。深層水を運ぶパイプが長すぎると、途中で海水が温められてしまい、十分な熱交換ができなくなってしまう。したがって、沿岸から約5kmで1000mぐらいまで落ち込んでいる必要がある。大陸棚のある日本のような場所ではなかなか使えない技術なわけだ。

その点、ハワイは急勾配の火山島であり、この技術を用いるのには最適な場所のひとつである。ワイ キキでSWACを利用できないかと調査されたこともあって、技術的・経済的には利用価値はあるが、汲み上げた海水を各建物に分配するシステムの構築が難しい ようで、ずっと実行されていなかったらしい。ん~、残念。ワイキキのようなホテルが建ち並ぶ場所だったら、効果絶大なんだろうけどなぁ~。

なんて思っていたら、Honolulu Seawater Air Conditioning, LLCという会社がホノルルのダウンタウンにこの設備を作る計画を実行することが決定した。今回も計画・設置はMakai担当である。そこで当然のことながらうちの会社も調査の提案書を提出する運びとなったわけ。18日が締め切りで、5月に調査実行というかなり急を要する計画なんだけど。いろいろと課題もあるので見事にコンペに勝てるかわからないけど、地元なだけにぜひとも調査やりたいね~。

写真はボラボラ島へ行った時のもの。せっかくのボラボラ島なのに朝から日が暮れるまでずっと船の上だった。。。(T-T)



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