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ワイキキ、エコリゾート化計画 [ハワイのこと]

8月9日付のStar Advertiser紙に面白い記事が載っていた。
タイトルは『The cooling wave』(リンク)。
 
内容は海洋深層水を汲み上げて空調に利用するSeaWater Air
Conditioning (SWAC)をワイキキでもやってしまおうというもの。
ワイキキでも、というのは今、ホノルルダウンタウン地区でも
この計画が進められているからだ。
 
SWACの説明は以前の日記に書いているので、詳しくは
そちら(「海洋深層水で冷房を」)を読んでもらうとして、
ワイキキでもしも実現したら、ホテルの冷房代の節約に加えて、
世界で唯一のエコリゾート地として人気を高めることができる。
マーケティングのための利用価値が上がるということだ。
 
現時点では、ワイキキでSWACが可能かどうかを調査中、
という初期段階。これはKyo-ya Hotels & Resortsが、
政府から補助金をもらったハワイ大学のSea Grantプログラムと
共にいろいろとリサーチしているらしい。
ちなみにKyo-ya H&Rは、シェラトン、ロイヤルハワイアン、
モアナなどのスターウッド系列のホテルの所有者。
 
ワイキキはホテルが集中しているし、いくつものホテルグループ
があるので、システムの利用者(つまり出資者)を集めやすい
という利点がある。一方、ダウンタウンの方ではビルのオーナーが
まちまちなので利用者を集めるのにけっこう手こずってるらしい。
 
ただし、ワイキキでこの計画を実現するにあたって問題点も
いろいろと指摘されている。
一番はどのルートで深層水を汲み上げるパイプを設置するか。
そして、各ホテル間とどうやって結ぶか、だ。
アラワイ運河を利用しようという話もあって、これによって
すっかり停滞してしまっている運河の水が流れるようになる
という利点もあるとか。
 
でも、ホテル間を結ぶ冷却水用のパイプを敷くには、かなり
大規模な道路工事が必要になるわけで、ワイキキの街を
ひっくり返すようなことになりそう。
その点に関して、Star Advertiserのページのコメント欄には
かなりネガティブな書き込みがされている。
 
中にはそんなことをするなら太陽発電を各ホテルやショッピング
センターで導入したほうがいいという意見があった。
確かに。常夏ハワイでは太陽エネルギーを使わない手はない
とは思う。でも、主に高層化してるホテルの屋上にソーラーパネルを
設置しても、エアコン代をまかなえるほどの電力は得られないのでは?
という意見もあった。太陽発電の効率って、まだ10~15%程度だしねぇ。
これに関しては、もっときちんと効率とコストの計算をして比較する
必要があるとは思うけど。
 
僕は過去に2度、タヒチのボラボラ島のインターコンチネンタル
ホテルと、カリブ海のキュラソー島のホテルグループのために
SWACを設置するための海底調査をやったことがある。
 
インターコンチは、2年ほど前から稼動していて、大成功だった
ようだけど、これはホテルを建てる前からの計画だったため
やり易かっただろうし、しかも一軒だけだったから、比較的簡単
だったのかもしれない。
 
キュラソーのは、いくつかのホテルが共同出資して使うらしいので、
いくらかワイキキに近いかも。今どこら辺まで進んでるのかな?
 
で、ホノルルのは秋ぐらいに出資金集めの目処が立ちそうらしく、
その9ヵ月後に工事開始で、18ヵ月後に稼動する予定だとか。
 
まぁ、自分も関わったことのある計画なので、ワイキキでも
ぜひとも実現してもらいたい。ハワイはモノレールの計画といい
ちょっと???なことをやっちゃう傾向もあるので、SWAC計画が
そうならないよう願うしかないな。 

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コメント 2

mamisuke

計画が正しくすすむと良いですね^^
by mamisuke (2010-08-21 23:28) 

ネコはっち〜

ほんと、ハワイってびっくりすること
ありますよね。

初めて行って驚いたのは、高速道路の
中央分離帯動かす車かな。
by ネコはっち〜 (2010-08-22 00:37) 

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